D.O.リアス・バイシャスワインのテイスティングディナー

さる4月8日(木)、汐留にある夜景が見れるレストラン「Fish Bank TOKYO」にて、「D.O.リアス・バイシャスワインのテイスティングディナー」が、リアス・バイシャス原産地呼称統制委員会とスペイン・ガリシア州経済開発公社主催のもと催されました。

この前日には、東京ビッグサイトで「Wine & Gourmet JAPAN」が開催され、ガリシア州単独で出展されていましたので、予習がてら行ってきました。リアス・バイシャスのアルバリーニョ100%のワインだけがずら〜っと並んでいるコーナーもあり、私なりに勉強させていただきました。

さて、ディナー当日は、スペイン時間!?のご愛敬もありまして、遅れての受付開始。
ウエルカムドリンクには、DON OLEGARIO ドン・オレガリオ '07 アルバリーニョ100% 。落ち着く〜。
「食前酒のアルバリーニョもいいなぁ〜」などと思いながらパンフレットを見ていました。
・・・この会場には、ワイン、酒販業界関係者、スペイン関係者の大先輩ばかりずら〜っといらっしゃっており・・・。とにかく飲もう・・・。

まずはPRビデオ上映、次に、来日したリアス・バイシャス原産地呼称統制委員会事務局長のRamón Huidobroラモン・ウイドブロさんの挨拶がありました。ラモン・ウイドブロさんは、リアス・バイシャスのワインとアジア・モダン料理との相性が良い事が注目されているとおっしゃっていました。

その後には、ワインスカラ代表の石井もと子さんのワインセミナーがあり、5つのサブゾーンの説明、勝沼、ボーヌ、ポンテベドラの年間降雨量の対比グラフ資料の説明(分かりやすかった)、ワインのタイプや葡萄品種の説明などがありました。

だいぶ遅れてのディナースタート。ウェルカム・ドリンクも何杯目なのか・・・。

スペイン・ガリシアをイメージしたカナッペ
VALMINOR バルミニョル '08 アルバリーニョ100%
青りんごやグレープフルーツ、ハーブなどとても爽やかな印象。口当たりはまろやかで、伸びのある上品な酸が心地よい。やや収斂性を感じる。シンプルな味わいは、食前、さっぱりとした前菜全般と良いのでは?プルポ、メヒジョン、ベルベレッチョ、セボジャ、サルディナ。しっかりとした味付け。(ガリシアの缶詰め?)


ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ マンゴーとセルバチコと共に
MARTIN CODAX マルティンコダックス '08 アルバリーニョ100%
柑橘系のニュアンスがしっかりと全面にあり、爽やか。味わいは、ドライで、しっかりとした酸味が中心。ベジョータ自体は美味しい、マンゴーとも合う。リアス・バイシャスのすっきり系とのマリアージュ。ややワインが負けてしまう感があった。やや甘みのある柑橘など(例えばオレンジなど)とだったらどうなのだろう。ワインを酸味としたら、甘み、塩味との構成からしてバランスがとれると思いますが。ワインの熟成(厚み)が欲しい。でも、おいしい〜。


タスマニアサーモンのコンフィ ライムとオレンジ香るギリシア風野菜を添えて
TERRAS GAUDA テラス・ガウダ '08 アルバリーニョ70% ロウレイロ20% カイニョ・ブランコ10%
ブレンドと地区(オ・ロサル)のせいか、前の2つとは違う印象を持っている。白い花の蜜を思わせるような華やかな印象、とても柔らかい酸、アフターはドライ。ハーブを効かせたサーモンコンフィととても相性が良かった。野菜も控えめな味付けで寄り添っている。


手長エビのグラチネ スタッフド・マッシュルームとリー・ド・ヴォーのソテー エシャロットのソース
LEIRA レイラ '07 アルバリーニョ100%
柑橘の香り、白い花の蜜、そしてややフレッシュのマッシュルームのような微かな熟成香のバランスが良い。酸味はまろやかで、やや厚みのある味わい。この料理はシェフの吉田氏が今日1番の力作だとおっしゃっていました。海と山の幸が混ざり合い素晴らしいコントラスト。ワインは、バリックのリアス・バイシャスを持ってきたかったなぁ・・・。このワインには、フレッシュのマッシュルームをスライスにしてヴィネグレットドレッシングをかけたサラダ仕立てのような料理に合わせたい。


ラカン産 ホロホロ鳥のロースト りんごと胡桃のソテー ジュとオリーブのソース
FINCA DE ARANTEI フィンカ・デ・アランテイ '07 アルバリーニョ100%
熟した黄色いフルーツ、マンゴーやパッションフルーツ、そしてアプリコットジャム、白檀のようなオリエンタルなハーブ、スモーキーでややヨードやミネラルなどリアス・バイシャスとは思えないほどの複雑な香り。これもありです。すごい。しっかりと果実味とコクが感じられ、まろやかな酸、ボリューム申し分ない。ホロホロ鳥は繊細で火の通りも素晴らしくとても美味しかった。フルーツを使ったソースにするとどうなのだろう。前の料理のマッシュルームと合った。


ハイビスカスのヌガーグラッセ 赤い果実のサラダ
LUSCO ルスコ '06 アルバリーニョ100%
'06のルスコ。まだフルーツの印象がある。オレンジピールマーマレード、パイナップル。そしてハーブ。穏やか。ミネラル、やや重油のようなオイリーなニュアンス。やや複雑。味わいはドライ。


時計を見ると、すでに10時を回っており、閉会予定の時間より1時間半を過ぎてやっと閉幕に近づく。
だいぶお腹もメタボぎみ、顔も茹でダコのようになってきました。
ここから緊張が走ります・・・・!なんと、「総評をお願いします」と言われ、新橋の空気と合いまみれた気持ちの良い酔っ払い気分が一気に冷めてしまいました。
一応、気が付いた2点を述べさせていただきました。(ちょっと色付けしました)
1.ごく通常売られている(セールスしている・されている)アルバリーニョのワインは、「魚介に合うワインですよ」「海のワインですよ」の一辺倒の認知で行っているのが常ですが、最近取り上げられている「5つのサブゾーン」も表現の一つとしてありますが、それよりも分かりやすい、若いヴィンテージのフレッシュなタイプと、2〜3年程寝かしたアロマティックな穏やかタイプがあることをまず挙げ、味わいが全く異なるのを理解したほうが、料理とのマリアージュする時も分かりやすく、幅を広げやすいと思いました。
2.このディナーには出ておりませんが、昨日試飲させていただき、とてもバラエティに富んだ産地ということを改めて感じました。この他に、テラス・ガウダのようなブレンドのタイプ、樽を使ったタイプ、今、日本市場で人気のある軽めな赤い果実を感じるフレッシュなタイプの赤ワインなど、そして他には、アルバリーニョ100%のスパークリングワインや食後酒オルホなどもあり、食卓に合うワインの幅の可能性を感じます。

と恐縮しながら述べさせていただきました。(述べさせていただいた・・・かと思います・・・ボラッチョ。)

ラモン・ウイドブロさんは、「リアス・バイシャスのワインとアジア・モダン料理との相性が良い事が注目されている」とおっしゃっていましたが、例えば、料理に柚子胡椒、山椒、八角、陳皮、パクチー、ディルなどのハーブ類など香りのアクセントによって、もっとワインの香味の良さが強調されるのかなぁと思いました。あと、ジャスミンなどのオリエンタル調のニュアンスも多くのワインに感じられ、「アジア・モダン」というジャンルに納得なところも多々ありました。
さらなるリアス・バイシャス、ガリシア州のワインの可能性を追求したいと思ったディナーでした。

ディナー後には、同じテーブルについた諸先輩方に付いて行き、新橋の街中でビールに食いついたのでした・・・。