スペイン横断ワイン三昧の旅 VOL.2

これから注目!DO Vinos de Madrid

スペイン・マドリード(マドリー)に入り二日目。
ややヒンヤリとした朝を迎え、ついにスペイン横断の旅が始まる。ホテルの前に止まっているメタリックブルーに輝くやや大型のバス。25人乗りだという。以前イタリア・トスカーナでの車旅で、あまりにもの山道に酔いつぶれ、アンティノリやモンテヴェルティーネで介護していただいた苦い思い出があり、今回のバス旅は密かに心配だった。7人旅なので車内はゆ〜ったり。しっかりと酔い止め薬を飲み、いざ出発。
これから向かうこの「DO ビノス・デ・マドリード」は、1990年認定の現在わずか37のボデガで成り立っている非常に将来性のある生産地域の一つ。
スペイン中心部に広がる標高500〜800mの「メセタ」と呼ばれる高原地帯。そしてその中の微妙なミクロクリマにこだわり、さまざまな葡萄が栽培されているというなんとも興味深く将来性を感じさせる産地である。黒ブドウはテンプラニージョ、ガルナチャ、メルロ、カベルネソーヴィニヨン、シラー、モナストレル。白ブドウはマルバル、アイレン、アルビージョ、ビウラ、パレリャーダ、トロンテス、モスカテル、とバラエティ豊富なのが魅力。
なによりもDO名に「Madrid」と入っている事により、知名度は低いが、お目にかかれば理解できる状況が多いのではないか?と思うのである。ワインは知らないがフガドールのラウルやベッカムのファンなどに送るワインとしては有効ではないか!・・・???などなど。
もとい、マドリードの南東から南西にかけて広がる「DO ビノス・デ・マドリード」はアルガンダ、ナバルカルネロ、サンマルティンと大きく3つの地区に分けられ、それぞれ特徴が細かくあるという。アルガンダは、一番広く、良質なテンプラニージョが多く栽培される。サンマルティンは、ガルナチャとアルビージョ。そして今回伺うナバルカルネロは生産地域の中心に位置し、面積は最も小さい。そして地域の特性を生かした非常に高品質な赤ワインとガルナチャのロゼが出来上がるという。あの知る人ぞ知るオバケワインを生む「リカルド・ベニート」もここの地域だ。「まだまだ若い生産地域だが、注目する価値は大いにある」と他人にはお勧め出来ない(!?)現状は私だけでしょうか・・・。
広大な草原の中、あんなこんなとバスの中で一人で考えながらマドリードを南下。トレドに向かう途中、バスに揺られて1時間30分。背の低い若樹が見え始め、右手にビノス・デ・マドリードのモンスターワインを造る「Ricardo Benito」の看板。おぉ〜っ!と一人で興奮していると、本日の1発目「Bodegas Francisco Casas」に到着。